台湾製のサクソフォン、かつてちょっと追いかけた時期がありました。最近はどうかな?と、久しぶりに検索してみるとPaulMauriatは国内収束の様子ですね。ちょっと雑感を書いて見たいと思います。
2007年末ににソプラノをかなり試した時期がありました。最初はマルカートのストレートソプラノ。音程も音色も良かったのですが、粘りの少ない薄い金属の管体でした。許容量がないので音色に限界がありましたが、もともとそういうモデルですのでOKだと思いました。
次に購入したのはシューガル・カーブドソプラノ(台湾製かどうかは未確認)。
ブラックニッケルでカッコいいです。写真はHi-Gなしのモデルですが、私が購入したモデルはHi-Gキー・キー各所に調整ネジが付き、ネック内径のエッジにテーパーが付けてありました。ニヤリ、とするマニアックな仕様なのですが、肝心の管体がマルカートと同じく粘りのない薄い金属でした。地金をみるにまるでホームセンターで売っているパイプのようです。ブラックニッケルとはいううものの、プレートというよりは塗装。もちろん音もそれなりなのですが、作りが悪い、というよりは技術はある人間が作った安物なんですね。THE SUGAL SERIES III
次はアンフリー・カーブドソプラノ(サテンGP)です。
これは非常に作りが良く、キーの成型具合・フィニッシュについても国内メーカーと比べても遜色ありません。管体は厚く、国産ソプラノよりも重いくらいです。音もかなり太い。ただ残念なのは、音色に柔軟性がない。管体も分厚いのですが素材はあまり良くないようです。第3オクターブが出づらい。楽器としての作りこみの過程は省略しているのでしょう。もったいないですが楽器としてまったく不十分でした。www.greatmind-sax.com
最後はキャノンボールのBigBellRavenです。
有名ブランドであり他の台湾製の倍の価格です。なんかアンフリーの写真とシルエットが似ていませんか?実はこのRavenとアンフリーは、管体(寸法・スケール)・キーの寸法が全く同じです。同じ部品ではないですが、少なくともコピー元が同じということです。
Ravenは柄物の指貝・Hi-Gキー・装飾ネジを装備しています。ケースは全く同じもので、Ravenは爬虫類柄になっているだけです。管体の素材は乾いた・軽い・薄い感じです。安い管体なのか?ノーコメントですが音はやはりペラな乾いたかんじです。でも、それを生かしたプレイをされている方もいますので、OKということにしておきます。
果たしてパーツと色を選んで発注するだけで楽器になるのか?キャノンボールもポールモーリアも単なるビジネスブランドであり、メーカーではないといことは留意すべきです。
台湾の工場は技術は十二分にあるのですが、外観だけの綺麗な安物も含めて海外企業の言うとおりに作っているだけです。欧米日本のミュージシャンや楽器店が長期で関わっているものは良い楽器になる可能性を秘めていると思います。しかし、それはネットワークビジネスまがいのエンドーサーを沢山用意することとは全然違います。
ただし、ミュージシャンの視点で管体の素材と設計変更に費用を掛ければYAMAHA62が買える値段になってしまうでしょう。私は何本も買い換えたあげくに結局最初からヤナギサワにして於けば良かったということになってしまいました。最初から答えは出ているのですがやっぱり消費者は惑わされてしまいます。
問題があるとすれば台湾の工場ではなくて、そういう楽器を作らせている海外の企業が悪いということでしょう。いつの日か、台湾の工場が自前の音楽的なコンセプトで楽器を作り始めたら、そこで初めて本当の楽器になるのかもしれません。
Paul Mauriatは海外では結構人気でステンシル 探しも盛んみたいです。Cadesonも同じ工場だそうですね。Saxontheweb Paul-Mauriat-Saxophones
P.Baroneを買った人が82Z売り払うですか・・・。誰か試して見てください!もしかしたら凄い楽器なのかも・・。
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