2010年4月21日水曜日

台湾製サックスについて ~ 雑感

台湾製のサクソフォン、かつてちょっと追いかけた時期がありました。最近はどうかな?と、久しぶりに検索してみるとPaulMauriatは国内収束の様子ですね。ちょっと雑感を書いて見たいと思います。

2007年末ににソプラノをかなり試した時期がありました。最初はマルカートのストレートソプラノ。音程も音色も良かったのですが、粘りの少ない薄い金属の管体でした。許容量がないので音色に限界がありましたが、もともとそういうモデルですのでOKだと思いました。

次に購入したのはシューガル・カーブドソプラノ(台湾製かどうかは未確認)。



ブラックニッケルでカッコいいです。写真はHi-Gなしのモデルですが、私が購入したモデルはHi-Gキー・キー各所に調整ネジが付き、ネック内径のエッジにテーパーが付けてありました。ニヤリ、とするマニアックな仕様なのですが、肝心の管体がマルカートと同じく粘りのない薄い金属でした。地金をみるにまるでホームセンターで売っているパイプのようです。ブラックニッケルとはいううものの、プレートというよりは塗装。もちろん音もそれなりなのですが、作りが悪い、というよりは技術はある人間が作った安物なんですね。THE SUGAL SERIES III


次はアンフリー・カーブドソプラノ(サテンGP)です。


これは非常に作りが良く、キーの成型具合・フィニッシュについても国内メーカーと比べても遜色ありません。管体は厚く、国産ソプラノよりも重いくらいです。音もかなり太い。ただ残念なのは、音色に柔軟性がない。管体も分厚いのですが素材はあまり良くないようです。第3オクターブが出づらい。楽器としての作りこみの過程は省略しているのでしょう。もったいないですが楽器としてまったく不十分でした。www.greatmind-sax.com

最後はキャノンボールのBigBellRavenです。



有名ブランドであり他の台湾製の倍の価格です。なんかアンフリーの写真とシルエットが似ていませんか?実はこのRavenとアンフリーは、管体(寸法・スケール)・キーの寸法が全く同じです。同じ部品ではないですが、少なくともコピー元が同じということです。



Ravenは柄物の指貝・Hi-Gキー・装飾ネジを装備しています。ケースは全く同じもので、Ravenは爬虫類柄になっているだけです。管体の素材は乾いた・軽い・薄い感じです。安い管体なのか?ノーコメントですが音はやはりペラな乾いたかんじです。でも、それを生かしたプレイをされている方もいますので、OKということにしておきます。

果たしてパーツと色を選んで発注するだけで楽器になるのか?キャノンボールもポールモーリアも単なるビジネスブランドであり、メーカーではないといことは留意すべきです。

台湾の工場は技術は十二分にあるのですが、外観だけの綺麗な安物も含めて海外企業の言うとおりに作っているだけです。欧米日本のミュージシャンや楽器店が長期で関わっているものは良い楽器になる可能性を秘めていると思います。しかし、それはネットワークビジネスまがいのエンドーサーを沢山用意することとは全然違います。

ただし、ミュージシャンの視点で管体の素材と設計変更に費用を掛ければYAMAHA62が買える値段になってしまうでしょう。私は何本も買い換えたあげくに結局最初からヤナギサワにして於けば良かったということになってしまいました。最初から答えは出ているのですがやっぱり消費者は惑わされてしまいます。

問題があるとすれば台湾の工場ではなくて、そういう楽器を作らせている海外の企業が悪いということでしょう。いつの日か、台湾の工場が自前の音楽的なコンセプトで楽器を作り始めたら、そこで初めて本当の楽器になるのかもしれません。

Paul Mauriatは海外では結構人気でステンシル 探しも盛んみたいです。Cadesonも同じ工場だそうですね。Saxontheweb Paul-Mauriat-Saxophones

P.Baroneを買った人が82Z売り払うですか・・・。誰か試して見てください!もしかしたら凄い楽器なのかも・・。

2010年4月6日火曜日

大阪デフレツアー 2010年3月

3/10(wed) 22:00 博多駅筑紫口 高速バス乗車口。

季節外れの大寒波でしたが、この時点で福岡は星が見えており翌日は晴れ。ということで、乗車決定(甘かった)。

3/11(thu) 6:00 まだ山口県。放射冷却により道路凍結。万事休す。


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微弱な電波でなんとか位置確認・・・宇部市。JR新山口駅にたどり着けば新幹線があります。無理を言ってひとりだけ途中下車。床波駅の場所が良くわからず困っていたところ、地元の高校野球少年が案内してくれました(感謝!)。



こんな景色が見れて結果オーライ・・実は私、前回も東京高速バスが山口でエンストして3時間遅延した前科があるのです。懲りてねぇ・・というかオレのせい?

3/11(thu) 10:30 大阪着。

淀川河川敷はすごく広いのですが、テントを張って住んでいる人が沢山見えますので楽器を吹く場所はなかなか見つかりません。テントからピリ(韓国のひちりき)のような音が聞こえました・・生ではなくラジカセかな? 箱崎も半島の人は非常に多いのですが大阪もそのようですね。



市営地下鉄中島南方駅近隣。福岡の干潟も再生してほしいです。

3/11(thu) 13:30~16:30 アバター鑑賞 @109シネマズ箕面



Kurtのライブは18:00開場。それまでにホテルにチェックインして、休まなければなりません。御堂筋線一本で梅田までもどり、ホテルはでライブに歩いていける距離に取ってあります。ところが、梅田近辺の分かりにくいこと・・・。ホテルにたどり着くのに40分もかかってしまいました。しかもホテルは不在時にブレーカーが落ちるというクソ仕様・・!ノートその他の充電がでけん。まあ他の設備は良かったんですけども。

3/11(thu) 18:40・Kurt Rosewinkel Trio @Mr.Kelly's

3/12(fri) 8:00 デフレツアーの締めは大阪~箱崎の12時間


全般にはひどく退屈なルートです(とくに姫路~岡山)が、広島県に入ると海沿いを走るようになり、糸崎は視界も開けて各種船舶の往来も見える美しい漁港です。山陽本線では山あいを通るのですが、呉線に乗り換えて海沿いを通る方が景色は綺麗だろうと思います。山口県柳井市附近も大変美しいです。

計画では宿泊・交通費・チケット2種含む22750円。新幹線の13000が痛かった・・

2010年4月5日月曜日

Kurt Rosenwinkel @大阪

Kurt Rosenwinkelはギタリストというよりは音楽家。今後10年のジャズをリードする存在だと思います。

既存の和声感覚を飛び越えた楽曲に加えて、普通のギタリストだったら捨ててしまうような練れていない音や表現も使います。一番近いのはウェイン・ショーターと言うことになると思いますが、原色の嵐のようなウェインの浮遊感に対してKurtの浮遊感は墨絵のごとく、霧の中を往くような浮遊感です。陰陽とすればKurtは果てしなく陰・・だと思いますがもちろん前向きな音楽です(でもかなり内向き)。

今回は、リーダーとしては初の来日とのことです。
"Reflections"発売後のツアーということでトリオで来日。



Mr.Kelly'sは大阪駅に程近い小さなライブスポットです。高速バス・新幹線を乗り継いで、他の所用もあって辿り着きへとへとでした。でも楽しく聴くことができました。ステージ最前列の右側。同席の高校3年生くんとつまみを分け合いながら談笑。アコギでジャズを勉強してると言うガッツな男の子でした。

ドラムの真ん前なのでで心配しましたけど音は大きいのに全然うるさくないんです。Kurtの指使いも良く見えました。むしろギターに近い左側だと指板が見えないでしょうね。バランスも最高でした。

不完全なセットリスト(どなたか補完していただけるとうれしい!)
1st - 1-backup 2-rubymydear 3-invitation 4-howinsensitive 5-milestone 6-fall 7-oleo
2nd - 1-boplicity 2-? 3-? 4-reflections 5-inner urge



マイクは立てませんが歌ってます。"Reflections"では声は録音してませんでしたけど歌は封印したわけではないんですね。客席のコーヒーカップやスプーンが共振するとそっちをチラチラ。あーやっぱ神経質、とおもいきや、それを自分で手を伸ばして置きなおす。クスっと笑いが出るわけですが、神経質で笑いをとるのもカートらしいですね。プレイ中は15fpsぐらいでマバタキ・・やっぱり神経質。

ソロの爆発度は90%ぐらいでした。トリオだと、テーマもコードも一人。どうしても制限があると思います。クインテットで来日希望(もちろんMark Turnerで!)!。

2010年4月4日日曜日

Yashica Lynx1000

Yashica lynx1000(1965年)。露出計が死んでいるのですがフルメカですので電池無しでもOKです。



色々買いまくっているようですが、ミノルタもこれも2000円なので・・。

フルマニュアルのフィルムカメラが初めてなので苦戦してます。



ミノルタハイマチックEが賢くて失敗がなかったぶん、難しい~!
フィルム4本費やしてやっと撮れるようになりました。

箱崎~折尾(折尾駅 ねじりまんぽなど)です。








2010年4月2日金曜日

菊地成孔 『わたしが子どもだったころ』(NHK)

テナーを抱えた男が暗いビルの階段から静かにやってきて、その音と共に回想が始まる。



私にとっては謎なサックス奏者・・菊地成孔(きくちなるよし)さん幼少時代の回想録です。奏者としてはブレッカー的なボストバップなスタイルで、音はかなり綺麗にまとめる方だなと思いました。むしろ音より文字媒体に名前を見かけることが多く、なぜかフランス語がいろいろ出てきたり・・。いまだに謎の存在であります。

歓楽街の定食屋の息子で上智大学出身・・・しかもあの、菊地秀行の実弟とは驚きです。名前も『孔子に成る』ですから、かなり教育水準の高いご家庭だったと思われます。あまりそのあたりは映像では感じられなかった部分ですが。

幼少の菊地さんは歓楽街で人気の出前少年。
子役の子が菊地さんによく似ていてまた切ない表情をするんだな。



出前先のストリップ小屋でお菓子をもらうんですが、個別包装なクッキーなんて平成にはいってからやろー!と突っ込みたくはなるんですが、雰囲気は良く出ています。バーテンさんもカッコいいんですが、コカコーラのロゴが消してありますが、サントリー角瓶のラベルがそのまま、ちょっと不思議。



俯瞰的なサックス奏者・・。単に吹きたい物を吹くのではなくて、自分を客観的にみてこういう位置づけで見せたい、というか。自分のプレイも一つの要素として見ている感じが。冒頭の楽器をセッティングするシーンとかも相当にナルシスティック。Body and soulをラバーのマウスピースでオーソドックスに歌ってます。今回の音は大変温かく感じました。お話も率直で。

さて、ストリッパーの一人は、なんと烏丸せつ子さんです。



ところが懐かしさも束の間。そのストリッパーに手篭めにされそうになる小学生がで嘔吐で反撃・・。ここのところのNHKのサックスの扱いはちょっと異常です。うーん・・